印刷会社の「AIデータ」とは?意味を勘違いしやすい理由と対処法

印刷会社に「印刷用にAIデータをご用意ください」と言われ、戸惑われたことはありませんか?
今回は、印刷業界でいう「AIデータ」の意味と、手元にAIデータがない場合の対処法をご案内します。

紙袋販売netが印刷用のAIデータを解説

「AIデータをください」と言われて戸惑っていませんか?

「AIデータをお送りください」とお伝えした際に、
「AI(人工知能)で作った画像ですけど、違うのですか?」
というご質問をいただくことがあります。

実はこの「AI」、人工知能のことではありません。
印刷業界でいう「AIデータ」とは、Adobe Illustratorというソフトで作成したファイル(拡張子が「.ai」)のことを指しています。
デザインに携わる方にとっては馴染みのある言葉ですが、日常的にファイル形式や拡張子に触れる機会が少ない方には、まったく別の意味に聞こえてしまって当然だと思います。

なぜ2つの「AI」が混同されるのか

「AIって、人工知能のことだと思っていました」と言われることは、現代において無理もないことだと感じています。

普段の生活で「AI」という言葉を目にする機会のほとんどは、人工知能の話題です。
一方で「.ai」という拡張子は、デザインや印刷の仕事に関わる人以外はあまり目にすることがありません。
同じ「AI」という2文字でも、置かれている状況によって意味がまったく変わってしまう、というのが実際のところです。

AIデータ(.ai)とjpg・png・psdの違い

「じゃあ、AIデータと普通の画像データって何が違うの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

たとえるなら、AIデータは「設計図」、jpgやpngのような画像データは「写真」に近いものだとイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

画像データとAIデータの拡大図比較

設計図は線の位置や長さが数値で決まっているので、大きく引き伸ばしても線がぼやけることはありません。
これがAdobe Illustratorで作られる「AIデータ(ベクターデータ)」の特徴です。

一方、写真は拡大するとどうしても粒子が粗くなっていきます。
jpgやpngのような画像データ(ラスターデータ)も同じで、大きく使うと輪郭がぼやけたり、文字がつぶれて見えたりすることがあります。

弊社では、AIデータに加えて、Photoshopで作成したデータ(psd形式、解像度350dpi以上を目安)でのご入稿も承っています。

紙袋の入稿でAIデータが重要な理由

紙袋の印刷では、正面・背面・マチ・底・折り返しといった部分を、1枚の平らな展開図の上にすべて配置してから印刷し、最後に折り上げて立体的な紙袋に仕上げます。

この展開図に合わせてデザインの位置やサイズを微調整する作業が必要になるため、拡大縮小しても画質が変わらない「設計図」タイプのAIデータのほうが、正確な仕上がりにつながりやすいというわけです。

紙袋の展開図
紙袋の展開図にデザインを配置した図
印刷して折り上げた紙袋

手元にAIデータがない場合はどうすればいいか

「ロゴのAIデータを持っていない」という方はそれなりにいらっしゃると思います。
ご安心ください、AIデータがなくても名入れ印刷紙袋を作ることは一応可能です。

ただし、対応できる範囲には条件があります。

ワンポイントのロゴ程度であれば、条件によっては弊社で展開図への配置をお受けできますが、解像度が低い画像はお使いいただけません。

また、ロゴを線画として描き直す「トレース作業」も有償で承っていますが、デザインが複雑になるほど費用は高くなり、内容によってはお受けできない場合もあります。
この対応は、AIで作った画像に限らず、jpgやpngなど一般的な画像データ全般に共通しています。

写真のような複雑な全面デザインをお持ちの場合は、無理に自己流で進めるより、専門知識を持つデザイナーに相談していただくのが一番の近道です。

なお、AIが生成した画像そのものが印刷に不向きな理由については、別の記事で詳しくご案内しています。「AIデータ」という言葉の意味とあわせて読んでいただくと、より理解が深まると思います。

よくある質問

Q. AIデータってAIで作った画像のことじゃないんですか?
違います。「AIデータ」はAdobe Illustratorで作ったファイル(.ai形式)のことで、人工知能で作った画像(AI生成画像)とは別のものです。呼び方が紛らわしいだけで、まったく別の意味を持つ言葉です。

Q. AIデータがなくても紙袋は注文できますか?
できます。ワンポイントロゴ程度なら条件によって弊社で対応できる場合があります。ロゴデータが印刷用では無い場合、ご対応が難しい場合もございますので、まずはお持ちの画像・ファイルを見せていただければご案内します。

Q. psdデータでも入稿できますか?
はい、対応しています。解像度は350dpi以上を目安にご用意ください。

Q. ロゴのトレース作業はいくらかかりますか?
デザインの複雑さで金額が変わるため、一律ではお伝えできません。画像を確認したうえでお見積もりいたします。

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